最大の敵は、諦めだ。

タングスの雑記です。ブログ名は2011年のJRAのJCのCMから拝借しました。

「負の数×負の数=正の数」を中学生に教える際の、ぼくの説明法

 一時期、こんなことを考えていたことがあったので、今日はそれについてまとめてみたい。

 

・もし、中学生に「マイナス×マイナスはどうしてプラスなんですか」と聞かれたら、どう説明できるだろうか。

 何気なく通り過ぎてしまう、中学校一年生の数学の話である。「負の数」の概念を教わり、その四則演算をするなかで出てくるのが負の数×負の数=正の数だ。考えていくうちに中々これが説明しづらい事であることが分かったのだが、私なりの解決方法は次の通りになった。

【タングス的な説明方法】

1.まず「負の数×正の数=負の数」を理解してもらう。

 これには、たとえ話を使う。

 例)1日に3個のバナナを食べるサルがいます。3日経つと、バナナの数はどうなっているでしょう?

  式)-3(個/日)×3(日)=-9(個)

  答え)9個減っている!

 これは恐らくおおかたの中学生が理解してくれるものである。

 勿論、掛け算では大人の方はご存知の通り交換定理が成り立つわけだから、(正の数)×(負の数)=負の数も成り立つのだが、中学校一年生相手の場合、この交換定理の理解が怪しい。そこで、もう一つ例を考える。ただし、交換定理が理解されている場合は例2のステップは不要と考える。

 

2.掛け算で交換定理が成り立つことを確認する

 

 例2)1日に3個の製品を作る職人さんがいます。この職人さんは毎日、3個を休みなく作り続けているのですが、では3日前の製品の量はいくつでしょうか。今ある製品量を□個とします。

  解法)職人さんが一日に作る製品=3(個/日)なので、3日前は、

    3(個/日)×(-3)(日)=-9(個)

    ここで、今ある製品量は□個なので、3日前の個数は、

    (3日前の個数)=□-9個

  となるだろう。ここで重要なのは、「かけられる数」と「かける数」のどちらが負の数になっても、片方が正の数ならば結果は負の数になっているということである。

 これを理解すれば、初等数学に於ける交換定理は理解されていると考えられる。

 

 

3.たとえ話も交えながら、例を用いて「負の数」×「負の数」の説明をする

 さて、ここからが本番(「負の数」×「負の数」=「正の数」の説明)である。私は次のような例を考えた。

 例3)1か月に一度、必ず500円借金をするA君がいます。ただしA君は一切借金を返していないとします。果たして、10か月前はA君の財産はどのくらいあったでしょうか?

  解法)借金いずれ返さねばならないマイナスのお金である事を考えると、式は単純で、

     -500(円/月)×(-10〔月〕)=5000(円)

   したがって、A君には10か月前には今より5000円の財産があったはずなのだ。

 

   こういった例を示すことで、(負の数)×(負の数)=(正の数)を中学一年生に説明できないか、と考えているのだが、特にこれまで中学一年生からこの説明を求められることもなく、私は生活してきたので、この説明は未だに使ったことがない。

 

 

 

 

 勿論これは数学的な証明ではないから、「いやいや数学的にはこう説明するのだ」という事もあるだろうと思う。

 あくまで学び始めの中学生がつまづいてしまった時の「イメージによる理解」のひとつと捉えて頂ければ幸いである。

 

 

 ではまた。